どれだけ対策を練ったところで、ひとたび会社からリストラの対象者に選ばれてしまうといつまでも会社にしがみついているわけにはいかないかもしれません。
そんな時は、先行きの不安定な今の会社を辞めて、もらえるものはきっちりもらって再就職に向けて新たな一歩を踏み出すのもひとつの対策でしょう。
リストラにせよ定年退職にせよ、新たな一歩を踏み出すにあたり、頼りになるのが退職金の存在です。
退職金をこれからの生活資金や住宅ローンの返済にあてる人も多いので、無駄に税金を引かれることなくキッチリと受け取っておきたいものです。
退職金も所得のひとつですのでもちろん税金はかかってきますが、退職金は長年の功労に報いる意味合いが強く、税負担が軽くなる優遇措置が設けられています。
会社に長くいればいただけ優遇される退職所得控除額というものが設定されていて、例えば勤続年数が20年なら800万円までは税金がかかりません。
課税対象は、退職金から退職所得控除額を引いた額の1/2なので、もし勤続20年で1000万の退職金が出たとしたら、課税されるのは1000万-800万=200万、その1/2で100万円で済むわけです。
しかしこのような優遇措置を受けるためには、退職前に申告書を会社に提出しなければなりません。
退職所得の受給に関する申告書は会社に置いてあるか、税務署で入手できます。
もしこの申告書を提出しなかった場合は退職金の支給全額に対して所得税がかかってしまうため、引かれる額も大きくなります。
これは大きな損をしてしまうことになります。
もし申告書を提出し忘れて税金をたくさん引かれてしまった場合は、退職金をもらった年の翌年3月15日までに確定申告すると、払い過ぎた分の税金は戻ってきます。
突然のリストラに「長年勤めてきた会社に裏切られた」と感じる人もいることでしょう。
でも会社から解雇を告げられたショックと悔しさで、その後の生活などどうにでもなれ、と投げやりになってしまうのは危険です。
どんな状況になっても自分の生活を守っていくための対策は必要です。
それまで会社に守ってもらっていた部分を自分自身で守らなくてはいけません。
退職後の医療保険の手続きなどもその一つです。
自主退職にしてもリストラでの解雇にしても、会社を辞めるときには健康保険証を返却しなくてはなりません。
被保険者でなくなれば、病気やケガの医療費が全額負担になってしまうので、何らかの医療保険にすみやかに入る必要があるでしょう。
その場合、選択肢として挙げられるのが、国民健康保険への加入、それまで入っていた健康保険の任意継続、家族の健康保険の被扶養者となる、の3つです。
この中で保険料の負担がもっとも軽いのは家族の健康保険の被扶養者ですが、これには年収による制限があるため、失業給付を受けていると所得制限に引っかかってしまいます。
失業保険の給付が終わってから被扶養者となることは検討するとして、とりあえずは国民健康保険に加入するか、退職後20日以内に所定の書類で申請して任意継続被保険者となっておきましょう。
国民健康保険でも、任意継続でも、それまでの保険料よりは負担が大きくなってしまいます。
それでも一般的に国民健康保険に比べて任意継続の方が保険料を安く済ませられます。
ただし任意継続はいつまでも継続できるわけではなく、期間が設けられています。
また保険料だけでなく、給付内容についてもそれぞれに違いがありますので、よく検討して選択しましょう。
退職後の不安をひとつひとつ消していくためにも、冷静にこれらの手続き準備を退職前からしておくことが、安心した生活を送るための対策となるでしょう。